複合数字抹消検査【株式会社トーヨーフィジカル】

複合数字抹消検査 Compound Digit Checking Test:CDCT 著者:行場次朗(東北大学)大橋智樹(宮城学院女子大学)
 
複合数字抹消検査は、日常の中に存在する多くの視覚刺激が階層構造をもつことに着目し、それぞれの階層に対して人間の注意がどのように配分されたり、シフトされたりしているかについての個人差を測定するものです。視覚刺激の階層構造を、小さい数字(部分数字)によって大きな数字(全体数字)を構成する複合数字として表現し、パタン配列の中から特定の数字(3または6)を抹消する際の正答率を比較することによって、個人の注意機能を測定します。
   
 
パタン配列は高度に統制され、抹消対象となるパタンの出現確率は50%、そのうち半数が抹消対象となるパタンの直前のパタンが抹消対象ではない場合(単独抹消)、残りの半数が直前のパタンが抹消対象である場合(連続抹消)に分けられます。連続抹消はさらに、全体数字と部分数字の組み合わせによって4つの条件に分けられ、これらはすべてほぼ同確率で出現します。 検査結果は、単独抹消で全体数字・部分数字それぞれの検出率、連続抹消で組み合わせ、4条件それぞれの検出率、さらに、FAや作業量が、試行ごとに算出されます。これらの結果から、被験者個人の注意機能特性を把握することができる、他に類を見ない作業検査です。注意機能の測定ツールとして、作業適性検査の1つとして、あるいは個人の注意機能を向上させる訓練ツールとして等、様々な使い方が考えられます。